この方のお悩みと経過
2、3日前から首を回したり曲げると左首が痛む。また、首を回しづらい。肩や首のコリを感じることは普段からあまりない。以前からジムでベンチプレスを行った後に、後頭部に原因不明の頭痛が起こる。脳検査などを行ったが特に問題はないと言われた。頭痛は後頭部全体がズキンズキンと痛む。気づくと痛みは無くなっている。
来院時の症状
頸椎 自動可動域 伸展のみC3/4左に痛み。通常の屈曲、側屈、回旋で痛みなし
頚部の回旋と伸展を連動させる動きでC3/4左に痛み
座位で左骨盤が後方へ変位、体幹が左凸で右へ傾く。頚部は約10°左側屈している
立位で胸椎フラット
頭部が肩峰より前方へ変位
左小菱形筋の短縮
頚胸移行部は可動域減少、頚部を回す時にはC3/4を支点に回している。伸展、側屈に対しても同様の現象がみられる。
後頭下筋群の過緊張
全体的に筋の柔軟性が低下しており硬い
施術後の経過
一回目の施術は後頭部と頚部の隙間を開くように筋の緩和操作と頸椎・後頭骨のモビリゼーションを行った。肩甲骨が前方へ巻き込むように変位しており、そのことが原因で頭部の位置が悪くなってい事と頸椎の運動時に負担をかけていたので、大胸筋と小胸筋のPNFを行った。頸椎の自動可動域は改善、頚部の伸展時の痛みは減少した。
ベンチプレス後の後頭部の拍動痛については上下頭斜筋・大後頭直筋の緩和操作を行い、後頭骨と頸椎間のスペースを作るように少しづつ後頭下をストレッチしていくことで、一回目の施術後には頭痛は出現しなくなった。後頭下三角を通る大後頭神経の絞扼が起こりやすい状態になっていたと思われるが改善した。
二回目の施術は、前回の施術内容に加えて頸椎の矯正を行った。施術後、頚部の運動時に痛みなし。可動域の改善がみられた。
三回目の施術前には、首を右回しに回すとC3/4に少し違和感を感じていた。この日は全体のバランスを改善させるために、仙腸関節に対して矯正を行った。
主観的・客観的にも改善がみられたので月一回のメンテナンスへ移行した。
担当 コメント
首を回したときに頚部の関節に違和感や痛みが出る場合には基本的には痛みの出る動きは避けるようにします。この場合には痛みが出る動きをすることによって、その部位に損傷を起こす可能性があるからです。しかし、首を全く動かさないでいると頚部の筋肉がこわばって硬くなりより可動域を狭めてしまいますので、痛みが出ない範囲で動かすようにします。肩の上下運動や肩回しは首の筋を動かし血行を改善させる効果があるので、首を動かせない場合には肩を動かすようにします。 放置すると痛みは一時的には感じなくなるかもしれませんが、可動域は低下したまま、姿勢は悪化したままなので、疲労が蓄積した時や何かの衝撃が加わったときにより大きな痛みとなって出現します。早目のご来院をおすすめ致します。
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